私はカウンセリングの中で、50の質問から、その方らしさを知るエゴグラム性格診断を活用しています。エゴグラムはジョン・M・デュセイ (John M. Dusay) が考案した性格診断法で、人の心を5つに分類し、その5つの自我状態が放出する心的エネルギーの高さをグラフにしたもののことです。そして、この5つの自我状態は、人それぞれ固有のものを持っていて、その人の努力によって変化させることが可能です。
【5つの自我状態】とは
①CP(Controlling Parent)「支配的な親」⇒厳しさ度
社会的な規範やルールを守り、世の中の秩序を維持していくために働く機能です。
CPが本来の働きをしている時には、正義感が強く道徳的で、規則を守るなどの肯定的な側面を持ちますが、CPが過剰に働くと、否定的側面として権威的、批判的で偏見を持つようなところもあります。また、CPの働きが不足していると、ルーズで規則や時間、約束などが守れず信頼感を得にくくなります。
②NP(Nurturing Parent)「養育的な親」⇒優しさ度
相手に保護的・養育的に関わる機能です。
NPが本来の働きをしている時は、思いやりがあり、優しく包容力があるなど肯定的な側面を発揮します。ただ、NPが過剰に働くと、世話を焼き過ぎる、相手を甘やかす、親切の押し売りをするなど、否定的な側面をのぞかせることがあります。また、NPの働きが不足そていると、周囲の人に関心がなく冷たい感じをもたらすので敬遠されてしまいます。
③A(Adult)「成人」⇒大人度
Aの自我状態にある時は、周囲の状況を観察し、もっとも適切な判断をする機能です。Aの自我状態は、「今、ここ」での思考や情報のやりとりをします。Aが本来の働きをしている時は、その場にふさわしい行動がとれ、人間関係が肯定的に推移していきます。ただ、Aが過剰に働くと、機械的で打算的な側面がでてくるので、人間関係が冷たく否定的になることもあります。また、Aの働きが不足すると、綿密な計画を立てることを避けるなど、人間関係に悪影響を及ぼすことがあります。
④FC(Free Child)「自由な子ども」⇒自由度
FCが本来の働きをしている時には、行動力があり、のびのびとしていて創造力豊かな肯定的側面で人間関係を創ることができます。ただ、FCが過剰に働くと、否定的側面として自分勝手で軽率な振る舞いをして周囲に迷惑をかけるところがあります。また、FCが不足していると、気分転換がうまくいかず無気力なりがちで、嫌な感情を引きずるところがあります。
⑤AC(Adapted Child)「順応した子ども」⇒従順度
ACが本来の働きをしている時には、周囲に協調的で協力をおしみません。周囲へ気配りし、波風を立てないようにします。ただ、ACが過剰に働いているときは、相手に依存的な態度をとり、つまらないことで遠慮したり妥協したりしてしまいます。また、ACの働きが不足していると協調性に欠け、人の話に耳を貸さないといった否定的な側面が人間関係を阻害することがあります。
ちなみに私のエゴグラムがこれです。
2009年のエゴグラムは、自分のことより人のことを優先する優しさ度が高いナイチンゲール型でした。FCが低く、人生を楽しんでない感がありましたが、他人の顔色を見ることを止め、自分のやりたいことを実行する生き方に変化させたことで、2016年には「今、ここ」を判断できる大人度の高い人に変わってきたように思います。もし、自分の性格の特徴に気づかないままでいたら、私は自己犠牲のナイチンゲールのままだったでしょう。エゴクラムは、自分次第で変化させることは可能なのです。
あなたが、あなたらしさのままで生きることが苦にならないのならいいのですが、、人間関係や恋愛や結婚生活で悩んでいるのなら、ご自分のエゴグラムを分析してみることをおススメします。私は交流分析インストラクターの資格もありますので、あなたのエゴクラムから生き辛さの課題を見つけますよ。