むっちゃん先生です。
最近「オヤカク」という言葉をよく耳にしますが、「オヤカク」とは就職内定時に親の確認をとることのようです。「オヤカク」をしておくことで、内定辞退を防ぎたいようです。
この記事によると、60%の大学で親向けのセミナーまで開催されているようで、また就職活動中の一番の相談相手が母親らしく、68.1%もの学生が母親を頼りにしているのだとか。それに引き換え、父親に相談する人は28%ほどなので、「オヤカク」の実際は「ハハカク」のようですね。
内定を出した後に一人暮らしを親に認めてもらえない学生が出たとか、内定後親から「倒産の心配はないか」という問い合わせの電話があったとか、親が自社製品を嫌っているので内定を辞退した学生がいたとか、読めば読むほど考えさせられてしまいます。
京都大学名誉教授であり、臨床心理士でもある故東山紘久先生は著書『プロのカウンセラーのコミュニケーション術』の中で、こう述べておられます。
「小さい子どもの場合は、人生経験も学んだことも少ないですから、親の判断は必要です。子どもの年齢が12歳を越えますと、子どもの領域に関する親の判断の必要性は1割以下です。18歳を越えると、1%以下になります。それ以上子どもの領域に親の判断が入りますと、子どもは親を侵襲的だと感じます。これは、親が子どものことに対して独自の判断をもたなくていいという意味ではありません。親は親としての判断をすることは大切ですが、子ども自身の気持ちを超えて、押し付けることが問題なのです。これが心理的侵襲になるのです。」
就職での「オヤカク」が東山先生のおっしゃるような親の価値観の押しつけになっていなければいいのですが、内定を出した後に一人暮らしを親に認めてもらえないなどは、明らかに親の心理的侵襲ではないでしょうか?
この「オヤカク」ですが、実は過去に受験校選びや友だち選びにまで確認が入っている可能性もあり、気をつけないと就職だけにとどまらず、これから先の恋人選びから結婚相手選びにまで確認を求められ、どこかで「オヤカク」の線引きをしないと、後々自分の人生が親の色の染まっていることに気づいて、愕然とするかもしれません。
さて、あなたは幾つですか?あなたは、いつまで「オヤカク」を続けるのでしょう?